ハチの社会では、どの個体がどの仕事を担当するのかが自然に決まります。これがどのようにして行われるのか、ハインリッヒ・ハイネ大学デュッセルドルフとケルン大学、フランクフルト大学の生物学者たちが研究しました。彼らは、ハチの脳内の神経活動がこのプロセスにどのように関与しているかを調査しました。研究結果は、アメリカ科学アカデミー紀要に掲載されています。

この研究では、特定の遺伝子を操作することで、ハチの神経回路を選択的に抑制し、働き行動に影響を与えることができることが示されました。具体的には、遺伝子操作によってハチの脳内の特定の神経回路を抑制し、その結果としてハチの仕事の選択に変化が生じることが確認されました。

この発見は、ハチの社会がどのようにして効率的に機能しているのかを理解する手がかりとなります。中央集権的な指揮系統を持たないにもかかわらず、ハチのコロニーが効果的に仕事を分担できる理由が解明されつつあります。これにより、集団行動の理解が進み、他の動物社会や人工知能の設計にも応用できる可能性があります。

今後の研究では、他の遺伝子や神経回路がハチの行動にどのように影響するかを調べることが期待されています。また、異なる環境条件下でのハチの行動変化も探求の対象です。