アストロノマーたちは、15年以上にわたるパークス電波望遠鏡の観測データを用いて、パルサーPSR J1637−4642に3つの回転異変(グリッチ)を発見しました。この若い中性子星は、発見以来グリッチを示したことがありませんでしたが、今回の観測でその静けさを破りました。特に注目すべきは、回転速度が約3パーツ・パー・ミリオン(100万分の3)変化したグリッチです。この研究結果は、2023年8月20日にarXivプレプリントサーバーに投稿され、Astrophysical Journal Lettersに掲載が決定しています。
この研究が行われた背景には、パルサーの回転異変がどのように発生し、何がそれを引き起こすのかという疑問があります。パルサーは非常に規則的に回転する天体ですが、時折その回転速度が突然変化することが知られています。この現象は「グリッチ」と呼ばれ、これまでの研究ではその原因が完全には解明されていません。
研究チームは、パークス電波望遠鏡を用いて、PSR J1637−4642の長期的な観測データを詳細に分析しました。その結果、15年間で3つのグリッチを特定しました。特に、3つ目のグリッチでは回転速度が約3パーツ・パー・ミリオン変化しました。このような大きな変化は、パルサーの内部構造やその進化過程について新たな手がかりを提供する可能性があります。
この発見は、パルサーの内部構造やその進化に関する理解を深める手助けとなります。特に、グリッチのメカニズムを解明することで、中性子星の物理特性やその形成過程について新たな知見を得ることが期待されます。
今後の研究では、他のパルサーでも同様の長期観測を行い、グリッチの発生頻度や特性を比較することで、より詳細なメカニズムの解明が目指されています。




