ろんぶんあつめ
臓器の成長を決める毛
発表: 2026/3/26#からだ

臓器の成長を決める毛

臓器の位置は微細な毛が決める

健康な人間の体では、心臓(しんぞう)は左側(ひだりがわ)に、肝臓(かんぞう)は右側(みぎがわ)にあります。しかし、時々、心臓が右側に、肝臓が左側にある人もいます。このような臓器の位置の違いは、胎児(たいじ)の頃に起こります。胎児の初期(しょき)には、胚(はい)という小さな液体(えきたい)で満たされた空間(くうかん)が形成(けいせい)されます。この中にある微細(びさい)な毛(け)が「繊毛(せんもう)」と呼ばれ、流れを作り出します。この流れが、臓器がどこに成長するかを決めるのです。しかし、この流れの仕組みは今まで謎(なぞ)でした。最近の研究で、繊毛がどのように臓器の成長を導くのかが明らか(あきらか)になりました。

わかったこと!

  • 繊毛が流れを作り、臓器の成長を決めることがわかった。

まだ わかっていないこと

  • 流れの仕組みについてはまだわからないことがある。

出典(しゅってん)

Tanveer ul Islam et al, Artificial embryonic node elucidates the role of flow in left-right symmetry breaking in vertebrates, Science Advances (2026). DOI: 10.1126/sciadv.aec2328

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保護者の方へ(研究の背景と補足)
人間の体内における臓器の左右非対称性は、実は非常に複雑なメカニズムによって決定されています。この非対称性を決める要因の一つが「繊毛」と呼ばれる微細な毛です。繊毛は細胞の表面に存在し、動くことによって周囲の液体を流動させる役割を持っています。この動きによって形成される流れが、胚の中でどの臓器がどちらの側に配置されるかを決定する重要な手がかりとなります。繊毛の動きが正常でない場合、心臓が右側に位置する「内臓逆位」と呼ばれる状態が生じることがあります。 この繊毛の動きは、細胞内のモータータンパク質によって制御されています。これらのタンパク質は、ATPというエネルギー分子を利用して繊毛を動かします。実は、繊毛の異常は、呼吸器系の問題や不妊症など、他の健康問題とも関連しています。これは、繊毛が呼吸器の粘液の移動や精子の運動にも関与しているためです。 このような研究は、発生生物学の分野で重要な進展をもたらしています。また、繊毛の異常が原因で起こる病気の理解や治療法の開発にもつながる可能性があります。

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