ろんぶんあつめ
氷の衛星の海が沸騰?

Hidden Oceans on Icy Moons May Be Boiling

発表: 2026/3/2#宇宙

氷の衛星の海が沸騰?

氷の衛星に隠れた海の可能性

外惑星を周回する氷の衛星には、隠れた海があるかもしれません。この研究では、潮汐力(ちょうせきりょく)と呼ばれる力が、氷の表面の下で熱を生み出すことがわかりました。潮汐力は、衛星が大きな惑星の近くを回ることで生じる力です。この熱によって、氷の殻が下から溶ける可能性があります。

さらに、氷の下にある海の圧力が急に低下すると、その海が沸騰することがあります。この現象は、エンケラドスやミマス、ミランダといった小さな衛星で確認されるかもしれません。例えば、エンケラドスにはトラ柄のような模様があり、ミランダには高い崖がありますが、これらの特徴はこのプロセスによって説明できる可能性があります。

この発見は、氷の衛星がただの冷たい場所ではなく、動きがある場所であることを示しています。隠れた海があることで、他の環境や生命の可能性についても考えるきっかけになります。

わかったこと!

  • 潮汐力が氷の下で海を沸騰させる可能性がある。

まだ わかっていないこと

  • 他の衛星でも同様の現象があるかは不明である。

出典(しゅってん)

Maxwell L. Rudolph, Michael Manga, Alyssa R. Rhoden, Matthew Walker. Boiling oceans and compressional tectonics on emerging ocean worlds. Nature Astronomy, 2025; 10 (1): 76 DOI: 10.1038/s41550-025-02713-5

保護者の方へ(研究の背景と補足)
潮汐力は、天体が他の大きな天体の引力を受けることで生じる力で、地球では月が海の潮の満ち引きを引き起こすことでよく知られています。しかし、外惑星の衛星においては、この潮汐力が氷の下に隠れた海を温める可能性があります。これは、衛星が惑星の周りを回る際に、その形状がわずかに変形することで内部に摩擦熱が生じるためです。このような内部加熱は、氷の殻の下に液体の海を維持するのに十分な熱を供給することができると考えられています。 エンケラドスやヨーロッパ(木星の衛星)のような天体では、実際に氷の下に広大な海が存在する可能性が高いとされています。特にエンケラドスは、南極地域から水蒸気や氷の粒が噴出していることが観測されており、これは地下の海が存在する証拠とされています。これらの海は、地球の深海熱水噴出孔のように、生命が存在する可能性のある環境として注目されています。 また、氷の下の海が圧力の変化によって沸騰するという現象は、地球上では火山活動や地震によって地下の水が急激に蒸発する現象に似ています。これにより、表面に変化が生じ、地形が形成されることがあります。このようなプロセスは、外惑星の衛星がどのようにして現在の形状や地形を持つに至ったのかを理解する手がかりとなります。

おもしろかったら シェアしよう!

おなじカテゴリの きじ