電気や磁石、化学物質を使わずに小型のローターを制御して回転させることは、長らく難題とされてきました。しかし、アジアとヨーロッパの研究チームが、水面の流れだけで浮かぶ物体を一定方向に回転させることに成功しました。この研究は、カールスルーエ工科大学(KIT)の微細構造技術研究所(IMT)と中国科学院の蘇州ナノ技術・ナノバイオニクス研究所(SINANO)の共同で行われ、科学誌『Science Advances』に掲載されました。

この研究が行われた背景には、従来の化学推進システムが摩耗しやすく、電気や磁気を使った方法が複雑な装置を必要とするという課題がありました。そこで、研究チームは水面の流れを利用する新しい方法を模索しました。

具体的には、水面に生じる自然な渦を利用し、浮かぶ物体を回転させる実験を行いました。その結果、電気や磁石、化学物質を使わずに、単に水面の流れだけで物体を一定方向に回転させることが可能であることが確認されました。

この発見は、エネルギー効率の高い新しい駆動方法として注目されています。例えば、微小なデバイスの駆動や、環境に優しいエネルギー利用の可能性が広がります。また、複雑な装置が不要なため、コスト削減にも寄与する可能性があります。

今後の研究では、この技術をさらに応用し、より大規模なシステムでの利用を目指す予定です。また、異なる環境条件での性能評価も進められるでしょう。