
発表: 2026/4/3#生き物
夜行性の蛾と花の関係
夜行性の蛾が花を受粉していた
東京大学の研究者、千代田(ちよだ)壮(そう)、望月(もちづき)晃(あきら)、川北(かわきた)篤(あつし)さんたちは、日本に自生(じせい)する黒(くろ)い蜜(みつ)を作る花、ジャスミナンテス・ムクロンタタの主(おも)な受粉者(じゅふんしゃ)が夜行性(やこうせい)の蛾(が)であることを発見しました。これまで、色(いろ)付きの蜜(みつ)を持つ花が主に夜行性の昆虫(こんちゅう)によって受粉されることが確認(かくにん)されたのは初めてのことです。研究者たちは、この発見によって、これまであまり知られていなかった生態(せいたい)について、さらに研究が進むことを期待しています。研究結果は、学術誌(がくじゅつし)『エコロジー』に発表されました。
わかったこと!
- 夜行性の蛾が特定の花の受粉を行っていることがわかった。
まだ わかっていないこと
- 他の花や昆虫との関係についてはまだわからないことが多い。
出典(しゅってん)
Soma Chiyoda et al, Black juice in the dark: Pollination of dark‐nectaredJasminanthes mucronata(Apocynaceae) by nocturnal hawkmoths, Ecology (2026). DOI: 10.1002/ecy.70370
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保護者の方へ(研究の背景と補足)
この研究の重要な点は、色付きの蜜が夜行性の昆虫にどのように影響を与えるかを初めて明らかにしたことです。通常、花の蜜は無色透明であることが多いのですが、ジャスミナンテス・ムクロンタタのように黒い蜜を持つ花は非常に珍しいです。黒い蜜は視覚的に目立たないため、夜行性の蛾がどのようにしてこの蜜を見つけるのかは興味深い疑問です。蛾は、視覚よりも嗅覚や味覚を使って蜜を探し出すと考えられています。さらに、蛾の中には紫外線を感知する能力を持つ種もあり、これが夜間の受粉にどのように役立っているのかも今後の研究で明らかにされるでしょう。
また、この発見は植物と昆虫の共進化の一例でもあります。植物は特定の受粉者に適応することで、効率的な受粉を確保し、種の存続を図ります。夜行性の蛾による受粉は、昼間の競争を避け、特定の生態的ニッチを利用する戦略と考えられます。このような生態系の複雑な相互作用は、自然界の多様性を理解する上で非常に重要です。