多肉植物がどのようにして効率的に水を保存しながら光合成を行っているのか、そのメカニズムが明らかになりました。スイスのベルン大学を中心とした研究チームが、多肉植物が葉の表面から二酸化炭素を取り込みつつ、水分を失わないように調整する仕組みを解明しました。

この研究が行われた背景には、地球温暖化による干ばつが農作物に与える影響がありました。多肉植物のように水を効率的に利用できる作物を開発することが求められていたのです。

研究チームは、Crassulaceae(ベンケイソウ科)の多肉植物が持つ特定のメカニズムに注目しました。この植物は、葉の表面にある気孔を通じて二酸化炭素を取り込みますが、その際に水分を過剰に失わないように調整しています。具体的には、MUTEという遺伝子が非対称分裂を促進し、気孔の周辺に特別な細胞を形成することで、水分の損失を抑えていることがわかりました。

この発見は、農作物の耐乾性を高める可能性があります。多肉植物のメカニズムを作物に応用することで、干ばつや高温の条件下でも安定した収穫が期待できるかもしれません。

今後の研究では、このメカニズムを他の植物にどのように適用できるかを探ることが求められています。特に、主要な農作物における実用化が次のステップとなるでしょう。