
発表: 2026/3/30#テクノロジー
体温で発電する新素材
体温を電気に変える素材が発見された
オーストラリアのクイーンズランド工科大学(QUT)の研究者たちが、体温を電気に変える柔らかい素材を開発しました。この素材は、体から出る熱を利用して電力を作り出すことができます。これにより、自分で電力を供給できるウェアラブルデバイス(身につける機器)が実現する可能性があります。研究の結果、この柔軟なハイドロゲル(ゲル状の物質)は、無駄になっていた熱を効率よく捕まえて、電気に変えることができることがわかりました。特に、このハイドロゲルは記録的な効率で電力を生み出すことができるとされています。これにより、より持続可能なエネルギー技術の発展にもつながると考えられています。今後、この技術がどのように進化していくのか注目です。
わかったこと!
- 体温を利用して電気を生み出す素材が開発された。
まだ わかっていないこと
- この技術の具体的な応用方法はまだわかっていない。
出典(しゅってん)
Chenyang Zhang et al, Ionic Coordination and Hierarchical Architecture Enable Record n‐Type Thermoelectric Efficiency in Soft Hydrogels, Angewandte Chemie International Edition (2026). DOI: 10.1002/anie.4172130 Journal information: Angewandte Chemie International Edition
保護者の方へ(研究の背景と補足)
この研究で使われたハイドロゲルは、熱電変換という技術を利用して体温を電気に変える仕組みです。熱電変換は、物質の温度差を利用して電圧を発生させる現象で、ゼーベック効果と呼ばれています。通常、金属や半導体材料でこの効果を利用しますが、今回の研究では柔軟なハイドロゲルが使われています。ハイドロゲルは水を多く含むゲル状の物質で、柔らかくて肌に優しい特性を持っています。
この技術の応用として、例えば心拍数や体温を測定するスマートウォッチなどのウェアラブルデバイスが、外部の電源なしに動作することが可能になります。さらに、この技術は持続可能なエネルギー技術としても注目されています。従来のエネルギー源に依存せず、人体の熱という無駄になりがちなエネルギーを利用することで、環境負荷の低減にも寄与する可能性があります。
関連する技術としては、ソーラーパネルが太陽光を電気に変える仕組みがありますが、今回の研究はそれを体温に応用したものと考えると分かりやすいかもしれません。また、日本でも同様の研究が進められており、特に高齢者の健康管理や医療分野での応用が期待されています。