トウモロコシは、世界の食料安全保障において重要な役割を果たしています。しかし、9,000年にわたるトウモロコシの家畜化と品種改良の過程で、タンパク質含有量は主要な育種目標とはされていませんでした。その結果、タンパク質含有量の高い有益な遺伝子変異が栽培種から徐々に失われ、現代のトウモロコシ品種はしばしば低い種子タンパク質含有量を示しています。これにより、家畜飼料として輸入された大豆ミールに大きく依存する状況が生まれています。

この問題を解決するために、研究者たちは野生のトウモロコシから失われた遺伝子を回収し、現代のトウモロコシ品種に導入しました。この遺伝子の導入により、トウモロコシのタンパク質含有量が向上し、収量を損なうことなく栄養価を高めることができました。具体的には、遺伝子導入後のトウモロコシは、従来品種と比較して、タンパク質含有量が大幅に増加しました。

この発見は、トウモロコシの栄養価を向上させるだけでなく、家畜飼料としての大豆ミール依存を減らす可能性があります。これにより、輸入に頼らずに国内での飼料自給率を高めることが期待されます。

今後の研究では、この遺伝子を他のトウモロコシ品種にも適用し、さらなる栄養価の向上を目指すことが考えられています。また、他の作物への応用可能性も探求されています。